セはチームの柱となる選手が外野に不在
プロ野球の外野手には大前提として守備力が求められる。守備範囲の広さ、肩の強さなども当然必要だ。しかしチームにとってはそれに加えて、打撃面で貢献してくれる選手ならば、なお重宝される。
昨年のセリーグの外野陣の数字はあまり芳しくなかった。
セ6球団の外野での出場試合数上位5人の打撃成績をまとめた。OPSは、出塁率と長打率の合計。攻撃の総合的な指標。
パリーグではトリプル3の柳田悠岐、最多安打記録の秋山翔吾、清田育宏、中村晃と打撃5傑のうち、4人が外野手。一方、セは筒香嘉智だけ。チームの主軸となる外野手が少なかった。
この表でもそれがうかがえる。
強打の基準であるOPS.750超えは、DeNAだけ。DeNAは、筒香の他に梶谷も規定打席に達している。年齢も若く、セでは最も元気な外野陣と言えよう。
優勝したヤクルトはOPSでは最下位。ヤクルトの主軸打者は内野に固まっていた。
2015年の巨人はチーム打率がセリーグ最下位で、打線の弱体化が目立った。
外野陣の成績を振り返っても物足りない。平均年齢は2番目に高く、打点は一番少ない。規定打席に達したのは長野久義一人だけでレギュラー陣を固定できなかった。巨人にとって覇権奪還のためには「外野の強化」も重要な課題だろう。
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