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張さんが抜け、富田や高橋一三が活躍した大沢ファイターズ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#18】

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往年の名手の訃報が続いた年

 12月に入り、大掃除へ向けて部屋のかたずけを開始した。

 まずハンガーに着せてカーテンレールに掛けてあった、今年のレジェンドシリーズ、復刻レプリカユニを洗濯に回す。「大沢親分」こと故・大沢啓二氏が指揮をとった70年代(正確には1981年シーズンまで)のユニホームだ。

 白地にブルーのピンストライプ、青赤のキャップ、雰囲気はシカゴカブスによく似ている。僕がいちばん思い出深い、後楽園球場時代のものだ。

 今年はこのユニホームを中田翔や大谷翔平が着て東京ドームで試合をしたのだ。
『フィールド・オブ・ドリームス』かと思った。それを作れば彼は来る。記憶の彼方から往時のファイターズ戦士がよみがえったようだった。いや、実際にはベンチにその時代の主砲・柏原純一コーチがおられるから、それ(復刻ユニ)を作る前から彼は来ていたのだが。いや、スタンドで本当に泣きそうになりましたよ。このユニホームでチームが野球するのは、僕の学生時代以来です。

 今年は残念な訃報が続いた年で、このユニホームを着て大活躍を見せてくれた富田勝さん、高橋一三さんが亡くなられています。これはちょっとグウの音も出ないくらい寂しかった。東京時代からのF党からメールが入ったりして、皆、凹んでいるんだね。思い出すシーンを書いて寄こしたりした。

 富田は背番号3、好打の三塁手だった。法政時代、田淵、山本浩二とともに「三羽ガラス」と言われたスター選手。長嶋の後を託すべく巨人が獲得した。高橋一三は広島出身のサウスポー投手。背番号は21。V9巨人のエース格だった。
 二人は1976年、張本勲とのトレードでファイターズにやって来る。巨人は第一次長嶋政権の時代で、王と並び立つ強打者を必要としていた。

 これをファイターズの側から言うと「旧・東映色」の一掃という事柄になる。


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