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松坂よ、壊れるまでやれ。再起には理想的な舞台、中日で成功する3つのポイント【小宮山悟の眼】

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“本能を呼び覚ます”中日のオファー

 フリー状態にあった松坂大輔の所属球団が中日に決まった。契約というのは需要と供給が成り立って実現するものだ。中日サイドは、先発投手としての枚数に価値を見出して契約したのだろう。松坂にとっては、チャンスをもらえたわけである。
 
 しかし、松坂が成功するかというのは別の話だ。彼が成功するにはどうすべきか。3つの視点から考えてみた。
 
 今回の契約に関しては、球団側の需要があったとはいえ、松坂に最初からローテーション入りを期待してのものではない。本当にローテーションの一角として計算していたなら、もっと早くにオファーしているはずだろう。球団に余裕ができたから獲得に動いたというスタンスは否めない。
 
 ただ、この中日側の姿勢こそ、松坂が成功するポイントの一つになる。
 
 日本に復帰してからの松坂を見ていると、心のどこかにブレーキを掛けているように感じる。故障した選手とは常に“怖さ”を抱いており、全力でプレーしようとする気持ちにブレーキを掛けてしまうというものだ。本人は「壊れてもいいと思っている」と口では言うものの、実際は「壊したくない」という心理状況に陥ってしまう。選手として「守り」に入ってしまうと、状況を打開することはできない。
 
 昨年まで松坂が「守り」に入っていた要因として、福岡ソフトバンクホークスとの契約が高額オファーだったことが挙げられる。3年契約で12億円(推定)の金額を積まれたら、選手としては故障を恐れてしまう。関係者からは「無理をするな」と言われていただろうし、ソフトバンクのピッチングスタッフを見れば、無理しなくてもよかった。
 
 今回の中日との契約では、その状況が180度変わる。中日からのオファーの金額であれば、「壊れることを恐れる」という気持ちにはならないはずだ。選手として追い込まれた立場にあり、“違和感がある”と言っている場合ではなくなっている。
 
 この状況がこれまで眠っていた松坂の本能を呼び覚ます要素になる可能性がある。今までブレーキを掛けていた松坂の気持ちに変化が生まれ、「怖さ」を乗り越えられるかもしれない。


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