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大谷、「スプリットの投げすぎ」は杞憂だ。それ以上に物足りないものは…【小宮山悟の眼】

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大谷の配球の特徴は?

 まず4試合目の登板となった4月24日(同25日)のヒューストン・アストロズ戦の配球を振り返る。この試合で投じた98球のうち速球が37球、スプリットが34球、スライダーが23球、カーブが4球だった。スプリットが全体の34.7%を占めていた。
 
 これに対して、スプリットの多投を危惧する声も聞こえてくる。おそらく、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手の例があるからだろう。彼は1年目のシーズンに右肘靭帯の部分断裂に見舞われた。原因はメジャーでのスプリットの多投という見方もあるが、それだけではないだろう。私は、日本球界からの負荷の蓄積であって、スプリットの多投と故障を直接結びつけるには少し無理があると考える。
 
 1年目の田中がスプリットを多投していたのは間違いない。しかし、田中の場合はしっかりと低めに投げられていた。メジャーの打者を抑えるには完璧なボールだった。最大の勝負球がスプリットだったから、その割合が増えるのは当然だ。
 
 一方、大谷は田中に比べるとスプリットをうまくコントロールできているとは言い難い。むしろ、スプリットの精度がいまひとつだから多投につながっている。ストライクゾーンに入る確率が高くないため、本来ならば空振りのはずがボールとなって、またスプリットを投げるという繰り返しになっている。
 
 スプリットが抜ければ抜けるほど、肘への負担がかかる。しかし、コントロールは試合の中で微調整を重ねていくうちに改善されるだろう。空振りを取るべきポイントでの制球力が上がれば、スプリットの割合は減ってくるのではないか。
 
 また、大谷は二刀流ということもあり、中6日の間隔がある。通常の中4日とは異なり、プラス48時間の休息があるため、肘への負担もそこまで大きくなるとは思っていない。


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